東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「あなたの主のために犠牲を捧げることについて」

Friday Khutba

尊敬すべきムスリムの皆様!
次の節において、全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)はこのように告げておられます。「本当にわれらは、あなたに善を豊かに与えた。だからあなたの主のみに礼拝し、犠牲を捧げなさい」。1
また、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中でこのように語っています。「犠牲の日におけるアーダムの子孫の行いとして、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のために家畜を捧げること以上に愛される行いはない」。2

親愛なるムスリムの皆様!
クルバンとは、定められた手順に従い、定められた基準を満たしている家畜を、崇拝という目的のために犠牲として捧げることを意味します。あらゆる崇拝の行為がそうであるように、クルバンの主な目的はアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に近づくことであります。すなわち、それはアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のご承認を得るための努めであります。それは敬神(タクワー)を得たいという願いであります。クルバンとはアル・ラフマーン、すなわち慈愛あまねく御方の従順なしもべが示す敬意と誠意であります。このことは、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の御言葉によって次のように表されています。「アッラーに届くのは、それらの血でも肉でもない。届くのはあなたがたの敬神の心である」。3

親愛なる信仰者の皆様!
アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のためのクルバンは、預言者アーダム(彼の上に平安あれ)以来、すべての人々に義務とされた崇拝の在り方であります。このことは、聖クルアーンを通して次のように伝えられています。「糧としてもたらされた家畜のけものの上に、アッラーの御名を唱えるようにと、われらはすべての共同体にそれぞれ儀式を設けた」。4

クルバンは、物質と精神の両方の面において最も高い責任を伴います。それは善行をなし、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の道のために費やし、主の祝福を他の人々と分かち合うということを、常に意識するという意味を持っています。それは第一に私たちの近くにいる人々、また困っている人々、悲しんでいる人々、気の毒な人々、孤独な人々を幸福にするということであります。それは思いやりと喜びを、肌の色、言葉、地域の違いの別なく、必要としている人々のご家庭に届けることを意味します。それは名も知らぬ国や会ったことのない人々にも手を差し伸べることを意味します。それは兄弟姉妹であるということ、連帯するということ、そしてウンマであるということの意味をしっかりと理解するということを意味します。

尊敬すべき信仰者の皆様!
トルコ宗務庁においては、例年通り今年もクルバンの代行を主催しています。昨年度も大変多くの皆様にご参加いただくことができました。私たちは、お預かりした皆様からの分かち合いのお気持ちを、本当に困っている方々に細心の注意を払ってお届けしています。これを通して私たちは、ムスリム同士の心をつなぐ愛の架け橋としての役割を果たし、またこれによってウンマとしての意識を強めてゆきます。私たちはあらゆる人々に対して、イスラムにおける寄付、道徳、助け合い、そして連帯の意識を高め、広げるために貢献してまいります。名誉あるこのコミュニティ、この慈善活動にどうぞご参加ください。分かち合った一回のクルバンは、私たちのために捧げられた千の祈りにも等しいことを忘れずにいましょう。

この機会に、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に祈りを捧げたいと思います。私たちが健やかな、また心穏やかで幸福なイード・アル・アドハーを迎えられますように。アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)が私たちのクルバンを、またその他の崇拝をお認めくださいますように。


[1] Kawthar, 108/1-2
[2] Tirmidhi, Adahi, 1.
[3] Hajj, 22/37.
[4] Hajj, 22/34.

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