東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ラマダーン:祝福の来客」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)は、次のアーヤを通してこのように告げておられます。 「ラマダーン月は、人々の導きとして、また導きの明白な証と規範としてクルアーンが下された月。それゆえあなたがたのうち、その月に立ち会った者は斎戒しなさい」。 [1]
また、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。 「ラマダーン月が始まると、天国の門は開かれ、地獄の門は閉ざされ、悪魔たちは鎖につながれる」。[2]

親愛なるムスリムの皆様!
祝福の来客であるラマダーンは、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)からの貴い招きであります。それは、真実の道への導きである聖クルアーンをより多く暗唱し、またより多く熟考するようにとの呼びかけです。斎戒を通して自分の意志をより強く持ち、自分自身を鍛錬するためのもっともすぐれた機会なのです。スフールやイフタールの食事には、家庭の平安と神聖な祝福の豊かさという意味が込められています。毎日5回の礼拝に加え、タラウィーの礼拝を行うことには、身体の健やかさ、魂の静けさという意味が込められています。私たちが差し出すザカート、フィトル、サダカには、親せきや隣人、すべての兄弟、姉妹たちのあいだにある愛情という意味が込められています。この月においてムスリムが果たすべき最大の責任とは、この祝福の来客を自分の心のもっとも良いところに迎え入れること、また神聖なこの招きに対し、全身全霊で応じることであります。

親愛なる信仰者の皆様!
疲れ果ててしまった魂を、ラマダン・アル・シャリーフによっていやしましょう。落ち込んでしまった心を安らげてくれるよう、アッラーに願いましょう。私たちの本質、私たちの内面に目を向けて、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に対する奉仕の感覚を高めましょう。忍耐と思いやり、満足と感謝の気持ちを持つようにしましょう。手、舌、目、意識、心、すなわち魂と体とを、罪から守ることを自らに約束しましょう。

親愛なるムスリムの皆様!
ラマダン・カリーム! 皆様のラマダーンが幸せなものでありますように。私たちの心にも、知性にも、クルアーンによるいやしがありますように。ラマダーンの月が全人類のあらゆる困難や災厄、とりわけ今まさに私たちが直面している感染症の拡大を乗り越えるための助けとなりますように。

[1] Baqarah, 2/185.
[2] Muslim, Siyam, 1.


https://youtu.be/FdaGwr7gg5o

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