東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「アッラーは知識の探究者に対し、楽園への道を容易にする」

親愛なる信仰者の皆様!
イスラームの知恵と目的のひとつは、人々を正しいことと真実とに通じる道を教え、無知をとり除くというものです。教育と訓練、きちんとした礼儀作法と道徳的な規範を身につけることは、社会的・経済的な背景に関わらず、あらゆる世代の人々にとって必要なことです。なぜなら、人はただ知識と教育を通してのみ啓示を理解し得るからです。知識と教育を通して、人は世界をゆたかにします。知識を通して心と魂、そして良心を導きます。知識を通して自分の存在の理由を知り、知識を通して道徳と礼儀作法を身につけます。

親愛なるムスリムの皆様!
知識(イルム)の源は、全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)です。アッラー(スブハーナワタアーラー)はアル=アリーム、すなわちすべてを知る御方であり、人が知らないことを教えた御方、それも筆によって教えた御方です。知識は、アッラー(スブハーナワタアーラー)と信仰とに近づくのを助けてくれます。しかし他人を暗闇に追いやり、世俗の利益を得るために知識に関わる活動をしても、それはアッラー(スブハーナワタアーラー)の御目からすれば価値がありません。そうした探求が無駄でしかないことは、それは、自分ではうまくやっていると思っていても、現世の生での努力がすべて誤った方へ失われる者たちのこと」。[i]と、クルアーンのアーヤにも明らかにされているとおりです。

親愛なる信仰者の皆様!
聖クルアーンには、次のように記されています。「……アッラーのしもべたちのうち、知識ある者だけがこの御方を畏怖する。本当にアッラーは威力あり、もっともよく赦す」。[ii] このとおり、知識とは全能の主をより完全に知ること、また心の中で主(スブハーナワタアーラー)への愛と畏敬の念を常に感じられるようにしてくれる、いわば道具なのです。人類に利益をもたらす知識や実践は評価されます。しかし来世における平安と幸福は、実際に行動に移された知識によってしか得られないかもしれません。だからこそ私たちの愛する預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、何の利益ももたらさない知識からの避難所をアッラー(スブハーナワタアーラー)に求めたのです。

[i] Kahf, 18/104.
[ii] Fatir 35/28.


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