東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「信仰者は人と親しむ」

尊敬すべきムスリムの皆様!
イスラームの教えに沿って生きるということは、アッラーに対する私たちの義務を果たすこと、私たちの宗教における、生きることを中心に据えたメッセージを、人間関係における導きとして活かすことの両方を意味しています。社会から孤立し、利己的で孤独な生活を好んで送ることは、適切なふるまいとはいえません。

親愛なるムスリムの皆様!
現代において、残念ながら私たちはそれぞれ自分の生活に囚われています。一人ひとりが個別化され、孤立しています。誰もが利己的になり、自分以外の誰かのことを思いやることができなくなっています。お互いの住まいの距離は近くても、心はばらばらで、友人・隣人との関係も希薄になりました。

デジタルな世界は、多くの機会を与えてくれます。ですが、仮想世界の魅力に身を任せた結果、私たちはコンピュータやタブレット、スマートフォンの囚人となっています。

親愛なるムスリムの皆様!
全能のアッラーは、預言者(彼の上に祝福と平安あれ)に宛てて、聖クルアーンの中で次のように告げておられます。あなた[ムハンマド]が彼らにおだやかでいられたのは、アッラーの慈悲によるもの。もしあなたが手厳しく、冷酷な心であったなら、彼らは必ずやあなたの周りから散り散りになっていただろう。……[i]

私たちは預言者のウンマの一員であることを喜び、彼の徳をこそ模範としましょう。思いやりとやさしさ、自己犠牲を身につけ、足るを知って、いつでも良い言葉を話し、笑顔でいましょう。孤立し、自己中心的になるよりも、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)の喜びや、兄弟、姉妹のドゥアーの中にこそ安らぎと幸福を求めましょう。

アッラーの使徒(彼の上に祝福と平安あれ)が信仰者について説いた言葉をもって、本日の金曜礼拝のホトバを終わります。「信仰者とは、人と親しみ、また親しまれる者のことである。人と親しむことも、親しまれることもない者には、善が欠けている。」[ii]

[i] Al-i ‘Imran, 3/159.
[ii] Ibn Hanbal, II, 400.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「信仰者は人と親しむ」.(PDF)

とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ (ひらがな と カタカナ PDF)