東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「職業上の倫理について」

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、ハラールで正当な方法で収入を得るよう命じています。そのようにしてなされた努力や働き、流された汗は尊いものとみなされます。アッラーがお喜びにならず、ハラールとハラームの境界も守られず、虚偽と欺瞞、不正が行われるような仕事や事業は禁じられています。

親愛なる信仰者の皆様!
生活のあらゆる場面と同じように、職業生活にも倫理の規定があります。イスラームの商取引と職業倫理の中心にあるのは、公正さと誠実さ、ハラールとハラームの認識、そして勤勉さと労働の尊重です。これには人間の尊厳と公的な権利の保護が必要になります。生命の安全を危険にさらすことはありません。

職場を平和な環境にすることが、上司や雇用主のつとめです。アッラーの使徒(彼の上に祝福と平安あれ)が、
أَعْطُوا الأَجِيرَ أَجْرَهُ قَبْلَ أَنْ يَجِفَّ عَرَقُهُ 「働いた者には、その汗が乾く前に対価を支払いなさい」1 と命じるとおり、なされた仕事の賃金は全額を支払わなくてはなりません。

親愛なるムスリムの皆様!
命を生かす原則を多く有するイスラームという宗教を、私たちの職業生活の中にも全面的に受け入れましょう。誠実さをもって仕事や取引を行い、ハラールな利益を求めて努力しましょう。自らの労働とハラールな収入を通して、私たちの人生に祝福と平安を招き入れましょう。アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のお喜びを求め、商取引と職業生活における倫理を守る人には、ハラールな収入と主(スブハーナ ワ タアーラー)のご承認があるだろうことを忘れないようにしましょう。

本日の金曜礼拝のホトバを、次の章句をもって終わります。 「人間は、ただ自分が努力したことだけを得る。その努力は、いずれ[本人に]見えてくるだろう。そののち、十分な報酬をもって報いられるだろう。」2


[1] Ibn Majah, Ruhun, 4.
[2] Najm, 53/39-41.

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とうきょうジャーミイ きんようれいはいのフトバ(ひらがなとカタカナ)(PDF)