東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)と子どもたち」

尊敬すべきムスリムの皆様、
全能のアッラーは、聖クルアーンにおいて次のように告げておられます。「財も子どもも、現世の生の飾りである。しかし永続する正しい行いこそ、あなたの主の御許においてその報奨はもっとも良く、また希望するものとしてもっとも良い」[1]

親愛なる兄弟・姉妹の皆様、
子どもとは、私たちに授けられているすべての祝福のうち、もっとも美しいものです。私たちを訪れるすべての客人のうち、もっとも純粋であり、私たち家族へのバラカそのものであります。
子どもたちとの関係を形づくる上っで、私たちにとりもっとも価値ある導きとなるのが、慈悲として世界に遣わされた私たちの最愛の預言者(彼の上に祝福と平安あれ)です。彼は子どもたちのことを、他の何よりも愛していました。

親愛なるムスリムの皆様、
アッラーの使徒(彼の上に祝福と平安あれ)は、子どもたちを大切にしました。子どもたち自身が、自分には価値があると思えるようにしたのです。自分のすぐとなりに座らせてやり、まずは何か食べるものをすすめることから始めました。子どもたちが通りかかれば自分の方から声をかけ、元気にしているか尋ねました。また、女の子や身寄りのない子については、特に気にかけていました。もっとも愛すべき授かりものとして大切にし、決して軽んじられることのないよう、心くばりをしていました。私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)のこうした努力は、すべて子どもたち一人ひとりが揺るぎない自分自身の個性をもって育ち、やがてすこやかな信仰とすぐれた道徳を身につけた世代となれるようにするためでした。

尊敬すべきムスリムの皆様、
今日(こんにち)、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の模範的な性質は、時代を超えてますます必要とされています。最愛の預言者(彼の上に祝福と平安あれ)の「父が子どもに贈るもので、良いしつけ以上にすぐれたものはない」[2]  という言葉に、しっかりと耳を傾けましょう。私たちの言葉と行動、それぞれの性質をもって、子どもたちの模範となれるよう努めましょう。私たちからの世話や愛情は子どもたちの権利であり、決して子どもたちから奪われることがあってはなりません。子どもたちに示される愛情や心づかい、道徳や価値観についての教育こそ、現世と来世の両方の生のためにもっともすぐれた投資であることを忘れないようにしましょう

[1] Kahf, 18/46.
[2] Tirmidhi, Birr, 33; Ibn Hanbal, IV, 77.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)と子どもたち」.(PDF)