東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「審判の日と、自らの清算を省みること」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、人類に二つの生を授けました。ひとつめは、私たちがいま生きている試練の場での生です。死を迎えるとこの世での生は終わり、来世の生が始まります。死は決して存在の終わりを意味するものではありません。むしろ、それは永遠の生の始まりです。

親愛なるムスリムの皆様!
時が来れば、私たちの生きるこの世の人生が終わり、永遠の来世が始まります。人は死からよみがえり、復活の場所に集まり、神の大いなる意志によって審判の秤が置かれます。その日は、清算の日です。

その日、隠されたものか明らかなものか、善か悪かを問わず、すべての意図と行為があらわになり、すべての人が次の言葉を聞くことになるでしょう。 「あなたの記録を読みなさい。この日、あなたの清算はあなた自身で十分である」。[i]

その日、私たちは口をきけず、代わりに手足が話すでしょう。私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)が、この真実を次のように告げておられます。
「この日、われらは彼らの口を封じる。彼らの手がわれらにものを言い、彼らの足が、自分たちの得てきたことを証言する」。[ii]

この日、不当に扱われる者は誰もおらず、ただ自分の行いに対する報いだけを得ます。生きている間に何をしたか、若さや、身に着けてきたもののこと、どのように財産を得て何に費やしたのか、知りえた知識で何をしたかなどを尋ねられるまで、身動きする者は誰もいないでしょう。[iii]

親愛なる信仰者の皆様!
アッラーと審判の日を信じる信仰者にふさわしいのは、清算を迎える前に自らの清算について考えることです。信仰者は、この世を遊びや楽しみの場所としてではなく、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)のお喜びを得るための場所としてみるべきです。完全にまっすぐなイスラームの道、クルアーンのみちびき、そして私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)のスンナから決して逸れてはなりません。

本日の金曜礼拝のホトバを、次の章句をもって終わります。 「人々よ。あなたがたは主を畏れなさい。そして親が子に報いることも、子が親に報いることもできないその日を恐れなさい。本当にアッラーの約束は真理である。それゆえ現世の生に欺かれてはならない。アッラーについて欺く者に、欺かれてはならない」[iv]

[i] Isra, 17/14.
[ii] Ya-Sin, 36/65.
[iii] Tirmidhi, Sifat al-Qiyamah, 1.
[iv] Luqman, 31/33.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「審判の日と、自らの清算を省みること」.(PDF)

とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ (ひらがな と カタカナ PDF)