東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ムスリムはお互いの希望である」

「ムスリムはお互いの希望である」

 

 

 

 

親愛なる信仰者の皆様!
全能の主swtは、人生の導きである聖クルアーンの中で وَلَا تَايْـَٔسُوا مِنْ رَوْحِ اللّٰهِۜ 「アッラーの[慈悲の]息吹に絶望してはならない。」1 と告げておられます。実際に、アッラーswtを信じ、アッラーswtに避難を求める信仰者の心には、絶望が入り込む余地はありません。なんといっても、希望こそが人を生かすのです。良いことやうれしいことへの望みが、私たちを生かすのです。希望とは、現実からの逃避のことではありません。むしろ、希望とは完全な服従をもってアッラーに頼り、忍耐をなくさず、知恵を受け入れることです。過去の悲しみを忘れず、たくましく立ち上がり、より良い未来に向けて努力することです。たとえどれほど大きな悩みがあろうと、たとえどれほど多くの問題があろうと、世界の唯一の創造主である私たちの主swt の慈悲と赦しに避難を求めることです。全知にして全能のお方である主swt の御恵みと慈悲によって息をし、平安となぐさめを得ることです。

親愛なるムスリムの皆様!
ムスリムは、アッラー、同じ預言者、同じ啓典、そして同じキブラに向かう者同士、お互いにとっての希望です。ムスリムなら誰もが、兄弟、姉妹の苦しみを自分自身の苦しみとみなします。兄弟、姉妹の悲しみを自分自身の悲しみとみなします。こうした意識をもって、苦しんでいる兄弟、姉妹に寄り添うのです。悩みを抱えた兄弟、姉妹の魂に触れ、傷ついた心をいやします。兄弟、姉妹から託された身寄りのない子どもたちに手を差し伸べ、助け、保護者となるのです。

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!
私たちは、暗い夜の後には明るい朝が来ると信じています。すべての問題は、アッラーswtの許しによっていつかは終わりを迎えます。 نِعْمَ الْمَوْلٰى وَنِعْمَ النَّص۪يرُ ، حَسْبُنَا اللّٰهُ وَنِعْمَ الْوَك۪يلُ 「私たちには、アッラーだけで十分。執りしきる者として、かの御方はもっともすぐれている」「なんとすばらしい庇護者だろうか。なんとすばらしい援助者だろうか」2 と唱えることで困難に耐え、アッラーswtに対する愛と信頼の強さによってしっかりと立つ人びとも、インシャアッラー、困難な日々を乗り越えることでしょう。信仰がもとめる希望と信頼、団結と連帯、愛と誠実さをしっかりと保ち続けましょう。

本日のホトバを、私たちの預言者ﷺが教えてくれた次の祈りをもって終わります。「アッラーよ。私たちは自分の顔をあなたに向けました。自分のことをあなたに委ねました。あなたをもとめ、あなたへの畏れをもって、あなただけにすがります。」3

[1] Yusuf 12/87.
[2] Al-i ‘Imran, 3/173; Anfal, 8/40.
[3] Bukhari, Wudu’, 75.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)