東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「抑圧を許容することは、抑圧そのものである」

「抑圧を許容することは、抑圧そのものである」

 

 

 

 

親愛なるムスリムの皆様!
今日、私たちは個人として、社会として、そして人間として厳しく試されています。権利、法、道徳、良心、そして思いやりといった、私たちを人間たらしめている価値観が、占領しつづける抑圧者と、その支援者によって踏みにじられています。ほぼ1世紀にわたり、パレスチナの兄弟、姉妹たちは、自分たちの故郷にいながらにして抑圧や投獄、迫害されて生きていかなければならないことに抗議してきました。ガザでは、今まさに世界の目の前で、女性や子ども、高齢者を含めた大規模な虐殺が進行しています。

尊敬すべきムスリムの皆様!
預言者(saw)のウンマが沈黙し、分裂していることが、前例のないこの大虐殺を行っている冷酷な犯罪者たちを加速させてしまっています。しかしながら、私たちの崇高な宗教であるイスラームは、私たちに連帯するよう求めています。一致団結し、行動を共にするよう呼びかけています。礼拝に限らず、知識、力、そして物質的・精神的な面においても手を取り合うよう告げています。

人びとよ!
この非人道的な行為は、ムスリムだけではなく、すべての人類にとって共通の問題であるはずです。世界の目の前で行われている殺人を傍観し、あまつさえ支持するということは、人類全体の恥に他なりません。他の人びとよりも自分たちの方がすぐれていると考え、地上を私物化しようとする抑圧者たちの標的となっているのは、ムスリムだけではなく全人類の未来そのものです。 どこで抑圧が行われていようとも、抑圧者に対して「やめなさい」と言うのは、人間としての私たちすべての責任です。抑圧を許容すること自体が、すでに抑圧だからです。

この困難な日々は、必ず終わると確信しています。抑圧者の抑圧は必ず終わりを迎えるでしょう。抑圧されていた人びとは笑顔を取り戻し、信仰者には勝利がもたらされるでしょう。

本日のホトバを、次の章句をもって終わります。 「主よ、私たちに忍耐を注いでください。私たちの足元を確かなものとしてください。[真理を]拒む民に対し、私たち[の勝利]を助けてください」 1

[1] Baqarah, 2/250.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「抑圧を許容することは、抑圧そのものである」(PDF)
とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)