東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「イスラームは思いやりと慈悲を命じている」

「イスラームは思いやりと慈悲を命じている」

 

 

 

 

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、思いやりと慈悲の宗教です。私たちの主(swt)の美しい御名のひとつに、「アッ=ラフマーン」があります。アッラーだけが究極の慈悲の源です。アッラー(swt)の預言者は、その一人ひとりが慈悲のみ使いです。預言者ムハンマド・ムスタファ (saw)は、世界への慈悲として遣わされた最後の預言者であり、そのウンマの一員であることは光栄なことです。

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの預言者 (saw) は、暴力ではなく思いやりを、憎しみではなく慈悲を築きました。生きものもそうでないものも、すべてに対して思いやりと慈しみをもって接しました。一人の命を奪うことはすべての人類の命を奪うも同然であり、一人の心を傷つけることはアッ=ラフマーンの玉座を壊すも同然であると教えました。宗教、言語、肌の色に関わりなくすべての人が尊重されるべきであり、その生命、血脈、財産、尊厳は不可侵であることを教えました。戦争にも道徳の規準があり、罪なき人びとの生命から、環境や動物にいたるまで害してはならないことを示しました。

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!
暴力は人類の最大の敵です。暴力と憎しみに依存する人びとは、人類という家族に最大の悪をもたらします。この最大の悪のもっとも痛ましい例のひとつが、今日(こんにち)のパレスチナで起こっていることです。人権と法の尊重を拒む抑圧者が、パレスチナの兄弟姉妹にあらゆる種類の暴力をふるっています。礼拝所、病院、学校が残酷な爆撃にさらされ、抑圧と暴力によってムスリムが故郷を追われています。ガザでは良心なき殺人者たちが女性、子ども、高齢者の別なく大虐殺を行っています。パレスチナでは人権、子どもの権利や教育を受ける権利など、もっとも基本的な権利さえ占領を続ける抑圧者によって踏みにじられています。こうした権利の擁護者であると主張しながら、偽善的な態度でこの虐殺を見てみぬふりをする人びとがいる一方で、慈悲と良心を備えた人びともまた、日に日に増えてきています。

誰にとっても、どの社会にとっても、暴力は決して成功への道ではないことを忘れてはなりません。ガザにおいて罪なき者を虐殺した人びとは、この世においては挫折を味わい、来世においては痛ましい懲罰に直面させられるでしょう。私たちの預言者 (saw)の警告は非常に明確です。「復活の日、もっとも厳しく罰せられるのは、人びとを抑圧し、暴力を加える者たちです。」1

[1] Ibn Hanbal, IV, 90.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)