東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「来世を信じるムスリム」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、次のように告げておられます。「しかし誰であれ、信仰者として来世を欲し、そのために尽力する者。これらの者の尽力は十分に認められるだろう」。 [1]
また、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。「賢い人とは、いつでも清算のことを考えて自分自身を問いただし、(悪い行いを避けて)死後の自分のためになる、気高い行いにはげむ人のことです。愚かな人とは、誘惑や欲望に自分の身を委ね、むなしい欲望をアッラーがかなえてくれることを願う人のことです」。[2]

親愛なる信仰者の皆様!
イスラムにおける、私たちの大切な基本のひとつは、来世を信じるということにあります。それは終末の日と、復活と、清算と、そして永遠の生を信じることであります。
心の底から来世を信仰するムスリムは、何を行うにも、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)によって定められた限界を守り、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)にお認めいただけるようつとめます。信仰が求めるところに従って正しい行い(アマル・アル=サーリフ)をし、高い道徳を通して成長します。いつでも自分の清算のことを考え、悪い言葉を口にしたり、悪い行いにはしったりすることもしません。
ムスリムは、世界を見渡すときにも、その中から自分のためになる教訓を得られるようつとめます。生と死について、健康と病気について、富と貧困について、喜びと悲しみについて、ムスリムはそれらを試練として受け止め、また試練に満ちた世界の一部としてみなします。そして預言者ムハンマドがそうしたように、授けられた祝福に感謝を表します。困難のときにはよく耐えしのびます。ムスリムにとっては、忍耐することこそよりすぐれたことだからです。 [3]

親愛なるムスリムの皆様!
誠実な信仰という旅の最後の目的地は来世にあります。来世こそ、私たちの本当の故郷であり、永遠の住まいです。ですから、いつか来世の日を迎えることを意識して日々を送るようにしましょう。大いなるその日のための準備を怠ることのないようにしましょう。
本日のホトバを、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)の次の御言葉をもって終わります。「塵ひと粒の重みでも、善をなした者はそれを見る、塵ひと粒の重みでも、悪をなした者はそれを見る」。 [4]

[1] Isrâ, 17/19.
[2] Tirmidhi, Sifat al-Qiyamah, 25.
[3] Muslim, Zuhd, 64.
[4] Zalzalah, 99/7-8.


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