東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ジハードについて」

東京ジャーミイ

「信じる人々よ。われはあなたがたを痛烈な懲罰から救うための、ひとつの取引を示そう。それは、あなたがたがアッラーとその使徒を信じ、自分の財も自分自身もアッラーの道に投じて努力すること。その方があなたがたのために良い、もしあなたがたが知っていさえすれば」。

尊敬すべき信仰者の皆様、ジュムア・ムバーラク!
ジハードとは、アッラーの道においてなされた努力、真実のためになされた尽力の呼び名であります。ジハードとは、全能の主の御顔を仰ごうと、信仰者が自分の全身全霊をもって努力することであります。ジハードとは、自分の体や言葉、思考や心をもってすべての聖なるものを守る決意を示すことであります。それは真実を高く掲げ、地上に平和と安心を、また正義と善を広める源であります。

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能の主は、アッラーとその使徒を信じる者は、自分の財産や人生をかけてアッラーの道のために努力するよう、クルアーンを通して私たちに命じておられます。1 私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、次のように語っています。「あなたの手、あなたの舌、またあなたの財をもってジハードにはげみなさい」2 この節、またこのハディースは、ジハードとは必ずしも命を犠牲にすることで達成されるわけではなく、手や舌(すなわち言葉)、または財産による奉仕によっても達成できることを示しています。「ムジャーヒド(ジハードをする者)とは、自分自身と戦う努力をする者のことである」3 というハディースは、私たちのジハードとは、まず私たち自身の欲望に相対することから始まるのだということを教えてくれています。私たちのナフス(低い自我)のささやきは、私たちが悪事や過ちを犯し、逆らうよう私たちを誘います。これに対して戦うことも一つのジハードであります。真正の典拠に従ってアッラーの宗教を学び、またそれを最も美しい生き方を通して実践することも一つのジハードであります。私たちを、その創造の目的から遠ざけ、底なしの淵へと引きずり込む欲望や欲求に立ち向かうことも一つのジハードであります。加えて、もしも信仰者が自分自身のナフスに対するジハードを成し遂げられたなら、それはすなわちイスラムの敵そのものに対するジハードを成し遂げたということでもあるのです。

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!
生きる力を与えるイスラムの原則を地上に広めるために、また不正に終わりをもたらすために、時としてジハードはペンを通して、また言葉を通してなされることもあります。信仰者は、時に自分自身の手足を動かして、あるいは自分の所有する財産を通して、真理のために働き、努力を重ねます。昼も夜も真実を伝え、人々に善を呼びかけ、善行へと導きます。

尊敬すべき信仰者の皆様!
ジハードとは、武器を手に取って罪のない人を殺害することを意味していません。昨今の凶悪な犯罪者集団による自殺攻撃や暴力行為や蛮行について、一部の人々はそれをムスリムの性質として位置づけようとします。しかしそれらは、イスラムにおけるジハードという概念からはあまりにもかけ離れています。イスラムにおいては、殺すためではなく、生かすための努力が、また破壊するためではなく、よみがえらせるための努力がジハードと呼ばれるのです。ジハードは、人間をその創造の目的から逸らさせる悪を取り除くためにのみ行われるものです。誰であろうと、またその目的が何であろうと、罪もない人々に対して攻撃するのは、イスラムが教えるジハードという概念の究極的な本質と理想にかなうものでは決してありません。それは残酷な殺人であり、人類に対する犯罪であります。

尊敬すべき兄弟、姉妹の皆様!
今日(こんにち)、私たちの兄弟、姉妹が、カシミールや東トルキスタンをはじめとする世界じゅうの様々な地域において、自分たちの生命や財産をかけて乗り越えてゆくための努力をしています。私たちの兄弟、姉妹は、信仰のためにはためらうことなく自分自身を捧げるということを、世界に対し再び示したのです。

尊敬すべき信仰者の皆様!
私たちはみな、生き抜くためのこの努力に対する責任を負っています。この責任において、聖なるジュムアのこのひと時、共に全能のアッラーに心から祈りましょう。
神聖な価値観を守るために自分たちの生命をかけた名誉ある殉教者たちに、あなたの慈悲がありますように。また生き延びた人々には治癒の祝福がもたらされますように。預言者のウンマを扇動しようとしたり、悪意や害を向けたり、罠にかけようと企んだりする人々に対して、私たちに知恵や視野の広さを、また英知を授けてください。ジハードの真の意味を理解し、逸れることなくあなたの道のために努力して励む、名誉ある誠実なしもべの一人であれるようにしてください。主よ。私たちはあなたを信じ、またあなたに委ねます。どうかあなたが私たちを、あなたの慈悲もないままに見捨てることがありませんように。


[1] Saff, 61/11.
[2] Nasa’i, Jihad, 48.
[3] Tirmidhi, Virtues of Jihad, 2.

東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ジハードについて」 (PDF)