東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「依存症:人間の尊厳と正反対の病について」

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの全能の主(スブハーナ ワ ターラー)は、すべての被造物の中でもっとも尊厳ある存在として人間を創りたまいました。人間が現世と来世の幸福を達成しつつ、本質的に純粋な状態を保てるよう、いくつかの制限を設けました。私たちの崇高な宗教が課している禁止のひとつが依存症です。これは人間の意志による自制を失わせ、身体的にも精神的にも不満足な状態へと追いやります。

親愛なるムスリムの皆様!
現代において、依存症はあらゆるコミュニティに大混乱をもたらす課題となっています。アルコール、薬物、ギャンブル、喫煙、そしてテクノロジーへの依存は、子どもや若者、将来世代、そして人類全体に危険をもたらします。

依存症は、私たちが創造された理由を忘れさせる病であり、また何よりも理性や意志、命、健康、財産といったアッラーの祝福に対する感謝を忘れさせてしまうのです。

ですから、私たちがなすべきこととは依存症に対して常に気を配ることです。心身の健康にとって最大の脅威であるアルコールや薬物など、あらゆる種類の有害な物質を控え、他者を保護することが私たちの責任です。ギャンブルという病に、私たちの人生や財産、資産が浪費されることがあってはなりません。テクノロジーとは賢く利用すべきものであり、無駄に時間をつぶすものであってはなりません。子どもたちから依存症を遠ざけるには、私たちが家庭内に良い習慣と道徳を形づくり、ケアとサポートが行き届いていなくてはならないことを忘れてはなりません。

親愛なるムスリムの皆様!
本日のホトバを、私たちの預言者からの警告をもって終わります。「審判の日、次の五つの問いのために、アーダムの子の足は主の御前から動けなくなる。すなわち、生きているあいだは何のために足を使ったか、若いころはどうであったのか、何を履いていたのか、財産はあったのか、また何をして稼ぎ、何をして費やしたのか、何を知っていて、その上で何をしていたのか」[i]

[i] Tirmidhi, Sifat al-Qiyamah, 1.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「依存症:人間の尊厳と正反対の病について」.(PDF)

とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ (ひらがな と カタカナ PDF)