東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ハラールな生を生きること」

尊敬すべきムスリムの皆様!
先ほど朗読した章句において、全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は次のように告げておられます。「信じる者たちよ。アッラーがあなたがたに合法とした良いものを禁じてはならない。法に外れてはならない。本当にアッラーは、法外の者を愛さない」。1
私たちの預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。 「何が合法かは明らかであり、何が合法でないかも明らかである。そしてその間には、多くの人が知らずにいる不明瞭なものがある。不明瞭なものから身を守る者は、自らの宗教と名誉において潔白である。しかし不明瞭なものごとに陥る者は、合法でないものごとに陥る。……」2

親愛なる信仰者の皆様!
ハラールとハラームは、主(スブハーナ ワ タアーラー)が私たちの現世の生のために確立した境界線です。ハラールとハラームは広い範囲にわたる概念であり、飲食だけに限られることではありません。
主(スブハーナ ワ タアーラー)が私たちに与えてくださった純粋な性質を守る言葉や行為は、何であれハラールです。この性質や純潔、尊厳、そして恩寵を損ねるものは、何であれすべて禁じられています。アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)がお認めになった良いものはすべてハラールです。一方で、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のお怒りを招く、好ましくないものはすべてハラームです。ハラールとハラームのいずれもが試練の一部です。ハラールに満足することは一種の崇拝ですし、ハラームを控えることもそうです。ハラールなものをハラーム扱いしたり、ハラームなものをハラール扱いすることは、信仰を傷つける重大な罪となります。

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの宗教に従うなら、何がハラールで何がハラームなのかを決定する権限は、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)と、その許しを得た預言者(彼の上に祝福と平安あれ)にあります。私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)は、高貴なるクルアーンを通して、何がハラールで何がハラームなのかを教えてくださっています。また、信仰者としてどう生きるかについては、私たちの預言者が教えてくれています。

親愛なるムスリムの皆様!
悪を避け、善に囲まれている限り、私たちは穏やかに生きていくことができます。ハラームから遠ざかるほど、主(スブハーナ ワ タアーラー)の慈悲に近づくことができます。罪から距離を置いている限り、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の御前において高められることでしょう。

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!
全員で祈りましょう。「私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)の、『主よ、私があなたに感謝する者でありますように。あなたを想い起こし、あなたを畏れ、あなたに従順で、あなたに謙虚で、いつでもあなたに乞い願う者でありますように』という祈りに、心からの『アーミーン』を」3 言いましょう。


[1]Ma‘idah, 5/87.
[2]Bukhari, Iman, 39; Muslim, Musaqat, 107.
[3]Ibn Majah, Du’a, 2.