東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「謙虚さが人を高める」

金曜礼拝のフトバ

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)は、次のように告げておられます。「慈愛あまねく御方のしもべたちとは、慎ましやかに地上を歩む人々のこと。…」
また預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。「アッラーは審判の日、かれのために謙虚さを示した慎ましい人々をほめ称えるだろう。また審判の日、横柄でうぬぼれていたごう慢な人々を引き下ろすだろう」。2

親愛なるムスリムの皆様!
私たちにとり預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ムスリムとしての謙虚さの模範であります。彼は質素でつつましい生活を送りました。3 彼は人々を、同じ人間どうしとして大切にし、また尊重したのです。謙虚さとは、楽園に入る人々の特徴のひとつであるということを知っていたのでしょう。4 彼は私たちに対し、ムスリムの兄弟、姉妹たちを見下すことはそれだけで十分に悪行であると警告しています。5 謙虚さという個人的な資質が、アッラーの御許においてはその人を他の人々よりも秀でた者とすることについて、彼は次のように語っています。「アッラーは寛容な者の尊厳を高め、また謙虚な者を引き上げたもう」。6

親愛なるムスリムの皆様!
イスラームは、ムスリムがその魂に謙虚さを宿すよう促す一方で、同時に、ごう慢さからできる限り距離を置くよう警告しています。これについては「ごう慢さとは、真実を拒否し、人々を軽んじることを意味する」7というムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)言葉に言い表されている通りであります。

ごう慢な人々は、世界が自分たちを中心に回っていると考えています。自分以外の人々を軽んじ、背を向けてしまいます。しかしムスリムは、たとえどのような理由があろうと決して誰かを軽んじてはなりませんこの点について預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、次のように私たちに警告しています。「アッラーは私に、あなた方は謙虚であるべきであり、お互いに間違ったことをしてはならないと命じている」。8

親愛なる信仰者の皆様!
他のすべての事柄と同じように、ムスリムは、謙虚さについても決して過剰に追い求めるべきではありません。これは、ムスリムは謙虚な生活を送るよう義務付けられている一方で、同時に自分自身の、またムスリムの兄弟、姉妹たちの名誉を守る責任も負っているからであります。ムスリムを見下す人々に対しては、品格ある穏やかな態度を保ち、ムスリムの名誉と尊厳を守るために力を尽くします。全能のアッラーの戒めを、心に刻んでいるのです。すなわち、「ムハンマドはアッラーの使徒である。彼と共にある者は、信仰なき者を寄せつけない。しかし互いに対して慈悲深い。…」9

尊敬すべき信仰者の皆様!
私たちの人生のあらゆる場面において謙虚さを取り入れるようにしましょう。誰のことも傷つけないようにしましょう。現世の一時的な欲望に陥って、お互いを悲しませることのないようにしましょう。現世の生を牢獄に、また来世の永遠の生を地獄に変えてしまうごう慢、高慢、偽善を避けるようにしましょう。他人を見下したり、また他人に向かっていやな顔を作ったりしてはなりません。ごう慢に地上を歩くことのないようにしましょう。全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)は、ごう慢な者やうぬぼれる者を愛したまわないということを忘れずにいましょう。

[1]Furqan, 25/63.
[2]Ibn Hanbal, II, 76
[3]Muslim, Zuhd, 33.
[4]Bukhari, Adab, 61
[5]Muslim, Birr, 32
[6]Muslim, Birr, 69.
[7]Muslim, Iman, 147.
[8]Muslim, Jannah, 64.
[9]Fath, 48/29.


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