東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「人生は一度だけ」

人生は一度だけ

親愛なるムスリムの皆様!
私たちは、残りの人生のうち1年を再び後にしつつあります。今こそ、責任を問われる前に自らを省み、ミーザーン(秤)にかけられる前に自らの行いについて考えるときです。「その日、人間は自分がすでに行ったこと、後に残してきたことを告げ報せられる」1 という、私たちの主の警告に従い、私たちがあとに残してきたものを振り返り、この先何をするのかを吟味するときです。

親愛なる信仰者の皆様!
貴いクルアーンには、次のように記されています。「その日、あなたがたは、必ず享楽[に恩恵を浪費したかどうか]について問われるだろう。」2 私たちは、主(スブハーナ ワ タアーラー)から託された自らの人生について申し開きをしなくてはなりません。いったい、どれほど息をしてきたのか、健やかさや現世の御恵みについて問われることでしょう。私たちのすることすべてを記録した行いの書や、決して間違うことのない正確な秤、そして真実を証言する証言者たちがいます。その日、微塵の重さの善にも、微塵の重さの悪にも必ず報いがあるでしょう。不当に扱われる者は誰もおらず、全員がそれぞれにふさわしいものを与えられるでしょう。

親愛なるムスリムの皆様!
この世は試験と試練の場所であり、人生は一度きりです。全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は、私たちの行いについても、機会に恵まれていながらないがしろにし、放置していたことについても私たちの責任を問いただしたもうでしょう。ですから手遅れになる前に、つまり人生が終わる前に、自分自身と向き合いましょう。 「この日、われらは彼らの口を封じる。彼らの手がわれらにものを言い、彼らの足が、自分たちの得てきたことを証言する」3 と告げたもう私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)の御言葉に耳を傾け、来世に供えましょう。アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)が私たちと共におられ、常に私たちをご覧になっていることを意識し、善行と慈善において競いましょう。あらゆる種類のハラームや悪事、また他人の権利を侵害する不正な行為を避けましょう。

本日の金曜礼拝のホトバを、次の章句をもって終わります。「信じる者たちよ。あなたがたはアッラーを畏れなさい。明日のためにあらかじめ何をしたか、それぞれ考えなさい。そしてアッラーを畏れなさい。アッラーは、あなたがたの行いを熟知している4

[1] Qiyamah, 75/13.
[2] Takathur, 102/8.
[3] Ya-Sin, 36/65.
[4] Hashr, 59/18.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ(ひらがなとカタカナ)(PDF)