東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「平安は感謝と共にある」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、聖クルアーンを通して次のように告げておられます。それゆえ、われを憶えなさい。そうすれば、われもあなたがたを憶えておくだろう。われに感謝しなさい。恩を忘れてはならない[1]
老いも若きも、富める者も貧しい者も、強い者も弱い者も、すべての人間はアッラー(スブハーナワタアーラー)が授けてくださる手だてや助けを通してのみ、自分の生活を支えることができています。このことに気づき、その価値を知り、祝福の持ち主に感謝することは、アッラーを信じるしもべであるために欠かすことのできない条件です。
アッラーに対する感謝を抱き、余すところなくこれを表し、形にするのがムスリムです。アッラーに心から感謝し、また常に心の中でアッラーを感じ取り、自分がどれほどの恩を受けているかを意識しています。常にアッラーをほめたたえることにより、言葉をもって感謝のきもちを表します。手や舌、目や耳を良いことに使い、あらゆる種類の悪事を避けることによって、全身をもって感謝のきもちを表します。

親愛なる信仰者の皆様!
預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、 人に感謝しない者は、アッラーにも感謝しない」と語りました。 [2] ですからムスリムとして、自分が恵まれていることを決して軽んじたり、恩を忘れたり、ごう慢になったりすることがあってはなりません。自分に良くしてくれた周囲のすべての人々、とりわけ両親や配偶者、子どもたちに対してきちんと感謝を返すことによってムスリムは幸福になるのです。

親愛なるムスリムの皆様!
アッラーは「アル・シャクール」、すなわち良いことをすれば必ず報奨をもって返してくださる御方です。アッラー(スブハーナワタアーラー)は、欲深くなく、利己的でもなく、むしろ今 与えられている祝福に満足し、幸福をおぼえるしもべをこそ愛してくださいます。真実を伝える以下の節をもって、本日の金曜のホトバを終わります。あなたがたの主が、こう宣言したときのこと。もしあなたがたが感謝するなら、われらは必ずあなたがたに[対する恩恵を]増やすだろう。しかし、もしあなたがたが恩を忘れるなら、本当にわれらの懲罰は厳重である [3]

[1] Baqarah, 2/152.
[2] Tirmidhi, Birr, 35.
[3] Ibrahim, 14/7.


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