エルトゥールル号海難事件131周年のメッセージ

Ertuğrul Firkateyni Kazasının 131. Yıldönümü Mesajı

エルトゥールル号海難事件131周年のメッセージ

1887年にヨーロッパに向かう途中でイスタンブルを訪れた小松宮彰仁親王は、スルタン・アブデュルハミトと会談し、明治天皇からの菊花勲章を贈呈されました。 時のオスマン帝国政府は、この来訪の返礼と両国の関係発展のために、エルトゥールル号を日本に派遣することを決定しました。

日本での任務を終えたエルトゥールル号は、1890年9月16日、暴風に抗しきれず、串本町沖にて座礁・沈没しました。 艦長のオスマン・パシャ少将を含む527名の兵士・乗組員が殉職し、69名が樫野埼の灯台守と住民によって救出されました。 樫野埼の住民たちはエルトゥールル号の生存者を手厚く看護し、生存者の69名は時の明治天皇の命により「比叡」と「金剛」2隻の軍艦に分乗してイスタンブルまで送り届けられました。 この悲劇的な事故はオスマン帝国と日本の関係を深めることとなり、日ト友好関係の基礎が築かれました。

悼むべきこの事故の131周年にあたり、艦長オスマン・パシャ少将をはじめ、オスマン・スルタン・アブデュルハミト2世の命による任務の遂行中に殉職した527名の乗組員と兵士を、友愛と感謝の念を込めて追悼します。 彼らの魂が安らかに眠り、彼らの居場所が天国にあり、その居場所が高められますように。

この悲劇的な事故から生還した兵士・乗組員に対し、すぐれた救護と介護の手を差し伸べてくださった日本の方々の厚情に、感謝の意を表したいと思います。

2021年9月16日
ムハンメット・リファット・チナル
東京ジャーミイ イマーム