リファット・チナル(東京ジャーミイ イマーム)より・聖なる三か月とラガーイブの夜に寄せるメッセージ

Muhammet Rıfat ÇINAR

聖なる三か月とラガーイブの夜に寄せるメッセージ

慈悲と赦し、愛とバラカの機会である聖なる三か月が、私たちの上にその影をさしています。この特別な日々を迎えさせたもう全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)に、終わりのない感謝と賛美をささげます。また、祝福されたこのときをどう過ごすべきかを教えてくれた預言者ムハンマド・ムスタファﷺに、サラートとサラームがありますように。

聖なる三か月は、人びとに対するアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の無限の慈悲のしるしです。美徳と豊かな神の祝福が降り注ぐ季節です。非常に貴重で大切なこの季節を迎えると、私たちの預言者ﷺは全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に次のように祈りました。「アッラーよ、ラジャブとシャアバーンの月に私たちを祝福し、ラマダーンの月を迎えさせてください。」

ラガーイブの夜は、慈悲の季節の最初の光です。私たちにとり、ラガーイブの夜はすばらしい機会です。全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の価値と美徳を知ることにより、完全に服従すること…… 日々の暮らしを見直し、どこへ向かおうとしているのかを自問すること…… どこで何のために人生を過ごしてきたかを振り返り、死を迎える前に自分自身の責任と向き合うこと…… 現世においても来世においても有益ではないあらゆるものごとを離れ、正しさと真実をもって自分自身を練り上げること…… 好ましくない悪習慣から自分自身を清め、善良な道徳を身に着けること…… 自分の過ちと罪を詫び、心の底から悔い改め、主(スブハーナ ワ タアーラー)の限りない慈悲の中に救いを求めること…… 兄弟、姉妹、両親、伴侶、子どもたちさえも置いて逃げ出す、誰にも互いを助けることのできないおそるべき復活の日に備えること……

私たちがなすべきこととは、主(スブハーナ ワ タアーラー)が神聖な御恵みの時として、また私たちの祈りに応じて罪を赦すための機会として私たちに授けてくださった、聖なる三か月の霊的な空気を活かすことです。とはいえ、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のしもべであるということは、ある期間に限定されるものではないというのもその通りです。特定の月や日、または時間に関係なく、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)への奉仕を意識して過ごすすべての瞬間が貴重なのです。この意味において、私たちの預言者ﷺは、全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)が次の告げておられるとハディース・クドゥシを通して報せています。「アーダムの子らよ! 常にわれに仕えよ。そうすればわれはあなたがたの心を喜びで満たし、あなたがたの求めを満たすだろう。」

このような気持ちと思いを込めて、イスラーム世界の祝福の三か月にお祝い申し上げます。この三か月がムスリムの連帯と調和に、そして全人類の平安と幸福をもたらすよう、全能の主に祈ります。

ムハンメット・リファット・チナル
東京ジャーミイ イマーム