1443年・ヒジュラ暦新年を迎えて
今日、私たちはヒジュラ暦1443年めの新年を迎えました。私たちの最愛の預言者であるムハンマド（彼の上に祝福と平安あれ）が、マッカからマディーナに移住（ヒジュラ）した日です。全能のアッラー（スブハーナ ワ タアーラー）が、ヒジュラ暦の新年をすべての人にとり慈悲深いものとしたまいますように。
ヒジュラがすべての人々、とりわけムスリムにとり素晴らしいメッセージを有する歴史的な出来事であることに疑いの余地はありません。地上に、公正さと慈悲と基礎とする新たな時代が、ヒジュラと共に築かれたのです。
ヒジュラとは、あらゆる危機的な困難や悲しみ、苦難からの逃避ではなく、むしろあらゆる困難に挑戦する道筋に深く、忍耐づよく関わることを意味します。
ヒジュラとは、迷信よりも真実が何であるかに重きを置く人への普遍の解答であり、またそうした人は決して敗れないということの証しでもあります。
ヒジュラとは、何ごとかに挑戦する際には「人事を尽くして天命を待つ」ことを核とし、私たちの最愛の預言者であるムハンマド（彼の上に祝福と平安あれ）を模範として、勇気と忍耐を身につけることの価値や、主を限りなく信頼し、主に委ねることにより、決して絶望する必要がないことを知り、また信仰や、決して倒れはしないという気概をもって立ち上がることの価値を、私たちに教えてくれる歴史的な出来事です。
こうした思いと考えをもって、愛すべき人々、そして全イスラーム世界に、ヒジュラ暦新年のお祝いの言葉を述べさせていただきます。この新たな年に全能のアッラー（スブハーナ ワ タアーラー）が、全世界の幸福と、イスラーム世界の発展をもたらしますように。私たちの連帯と同胞愛を強め、ウンマの団結と健全さのために、すべての人々の平安と静穏のために、更なる努力と深い取り組み、そして献身がなされますように。
ムハンメット・リファット・チナル
東京ジャーミイ イマーム