リファット・チナル（東京ジャーミイ イマーム）より ライラト・アル＝カドルに寄せるメッセージ
親愛なる信仰者の皆様！
その始まりは慈悲を意味し、ついで中ごろは赦しを意味し、そして最後には地獄からの救済を意味するラマダーン月が終わろうとしています。それは千の月にもまさるライラト・アル＝カドルが隠されている格別の日々です。私たちの預言者（彼の上に祝福と平安あれ）は、あるハディースの中で「ラマダーン月の最後の十日間に、ライラト・アル＝カドルを探しなさい」と語っています。
ライラト・アル＝カドルは神聖な夜であり、その間、アッラーの恵みと慈悲は降り注ぎ、信仰者の心には愛情と思いやりがあふれています。ライラト・アル＝カドルは、忘れられていた価値観を想い起こさせ、目を閉ざしていた良心を呼び覚ます特別な夜です。アッラーの使徒（彼の上に祝福と平安あれ）はそのウンマに対し、この夜について「この夜に善を手放した者は、千の月の善を手放したようなものである」と警告しています。
ライラト・アル＝カドルを価値あるものとしているのは、その夜に下された神聖なクルアーンです。クルアーンは、私たちの主から送られたカラーム・アッラー（アッラーの御言葉）であり、疑いの余地はありません。クルアーンはズィクル（想起）であり、その朗読はイバーダ（崇拝）の行為となります。クルアーンはアル＝フルカーンであり、何が真実で、何が真実ではないか、また何がまっすぐで、何がそうでないかを識別するものです。
ラマダーンの最後の日々と、ライラト・アル＝カドルを、私たちにとっての神聖な恵と祝福とみなしましょう。私たちの意識と心をもってクルアーンを受け取りましょう。より多く朗読し、理解を深め、これに沿った生き、その生き方を保ち続けましょう。過ちや罪があれば悔い改め、遠ざけましょう。夜ごとの価値を知り、すべての祝福に感謝することにより、人生全体が祝福されるようつとめましょう。そうすることにより、私たちにも、信じるしもべたちにアッラーが約束したジャンナ・アル＝フィルダウスを受け継ぐことができますように。
ムハンメット・リファット・チナル
東京ジャーミイ イマーム