リファット・チナル(東京ジャーミイ イマーム)より 新年のご挨拶

Muhammet Rıfat ÇINAR

リファット・チナル(東京ジャーミイ イマーム)より 新年のご挨拶

7月30日(土)は、ムハッラム月の始まりであると同時に、預言者ムハンマドのマッカからマディーナへのヒジュラ(聖遷)を紀元とするヒジュラ暦における1444年目の新年にあたります。

ムスリムにとって新たな始まりであるヒジュラは、すべての人間にとっても歴史的なターニングポイントです。
ヒジュラを、重要かつこれほどまでに意味あるものとしたのは、ジャーヒリーヤ時代に行われていた非人道的な習慣を変えようとする預言者ムハンマドの決意と、過ちよりも正しさを選び取ったムスリムの、アッラーに対するゆるぎない信仰心です。

ヒジュラは、困難や苦難に対して、決して絶望せず、信仰、勇気、忍耐、事前の備えを行うことで立ち向かわなければいけないことを私たちに教えています。事前の備え、アッラーへの服従、アッラーに身をゆだねること、そして決意を持って戦うことによってのみ、偉大な勝利を収めることができることを示しています。
すべての道が閉ざされ、困難が耐え難いほどになり、災難が次々とムスリムに襲い掛かったときになされたヒジュラは、人権と正しさを大切にする者たちに対し、偉大なアッラーは必ず道を切り開いてくれることを表しています。

ですから私たちは、ヒジュラの精神を育み、ヒジュラによってもたらされた価値観を身につけ、地球上に善行が広まるよう全力を尽くさなくてはいけません。
万感の思いを込めて、すべてのムスリムのヒジュラの新年を祝うとともに、過ちから正しさへ、虚偽から真実へ、残酷から正義へ、憎しみから慈悲へと変えようという意識が、常に私たちの心の中に生き続けるよう、偉大なアッラーに祈ります。

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